買取業者のなりすましを確かめる2つの方法|13社が「当社を装った者がいる」と公表している

藍澤和博買取査定の実務経験者
公開日 2026-09-10
この記事の一次体験:2026年9月10日に、買取業者20社と業界団体の公式サイトを1つずつ開いて、自社を装ったなりすましへの注意喚起が公表されているかを確認した記録です。公表を確認できたのは13社と業界団体1つ(日本流通自主管理協会)で、本文の逐語はすべて各社の公式ページから書き写しています。ブランディア(ページがトップへ転送され該当ページに到達できず)とギャラリーレア(サーバーから403で拒否)は開けず、リクロ・買取プレミアム・ウリエル・BRAND REVALUEは該当ページを見つけられませんでした。「無い」ことを確認したわけではありません。あわせて古物営業法の第9条・第11条・第12条・第24条・第31条・第35条と同法施行規則第10条・第13条の2、特定商取引法の第58条の5・第58条の6・第58条の12・第58条の13・第58条の17および罰則章(第70条〜第76条)をe-Gov法令検索の現行条文で読み、罰則章については「第十一条」「五十八条の六」を引用している号があるかを全文通読して確認しました(古物営業法は第35条2号の1箇所のみで11条3項は含まれず、特商法は該当号なし)。行商従業者証の様式(別記様式第12号)の記載事項は、e-Gov側で様式そのものを展開できなかったため、愛知県警察の解説ページ(2020年4月1日公開)で確認しています。有効期限欄の有無は確認できていません。国民生活センターの相談件数は2026年7月31日更新のページを開いて表を読み取った確定値で、2023年9月27日公表のPDFにある3,071件は年度途中の暫定値だったため採用していません。筆者は2011年から2026年4月まで買取の現場で査定する側にいた人間ですが、この記事に書いているのは業者の内部運用ではなく、各社の公表資料と条文だけです。行商従業者証は当時自分も携帯していましたが、条文で読んだのは今回が初めてです。
「この店、大丈夫ですか」と聞かれたとき、疑う相手が違っていることがあります
カウンター越しに「この店、大丈夫ですか」と聞かれた回数は、数えていませんが相当なものです。私が査定台の内側にいたのは2011年から2026年4月まで。いまはその仕事から離れていますし、鑑定士のような資格も持っていません。
その質問をする人は、たいてい目の前の会社を疑っています。看板を出している、あの会社を。
ところが今回、買取業者20社の公式サイトを順番に開いて、なりすましへの注意喚起が出ているかを調べたら、別の絵が出てきました。名前を使われている側として、被害を訴えている会社が13社あった。 疑われている相手と、実際に悪いことをしている相手が、そもそも別人だったという構図です。
そこで、玄関先とブラウザのそれぞれで「本物かどうか」をどう確かめるのかを、各社の公表文と、古物営業法・特定商取引法の条文から組み立て直しました。書いてあるのは、私が自分で開いて読んだことだけです。
⚠️ このページに広告リンクはありません。広告のある記事は別にあり、そちらには広告である旨と提携先を本文に書いています。ここは判定の物差しとして使ってほしいので、何も置かずにおきます。
先に結論:法律が用意している確認手段は2つあります
順番を変えて、結論から書きます。
- 目の前に人が来ているとき — 古物営業法11条3項により、許可証か行商従業者証の提示を求めることができます。これは業者の厚意ではなく、業者側の義務として条文に書かれています
- サイトを見ているとき — 古物営業法12条2項により、一定の古物商は氏名または名称・許可をした公安委員会の名称・許可証の番号の3点をサイトに載せる義務があります
そして、この記事でいちばん書きたくなかった結論がもう1つあります。偽サイトを見た目で見分ける方法を、私はこの記事に書きません。 書けないからです。理由は後半に書きます。
買取業者13社が「当社を装った者がいる」と自分で公表しています
まず事実から。2026年9月10日に各社の公式サイトを1つずつ開いて、なりすましへの注意喚起が出ているかを確認しました。
| 会社(公表主体) | 何を装られていると公表しているか | 公表・更新日 |
|---|---|---|
| なんぼや(バリュエンスジャパン) | 訪問買取を行う者 | 2018年6月18日 |
| 大黒屋 | 訪問買取を行う者 | 2017年1月11日 |
| エコリング | 突然訪問する者 | 2024年11月5日 |
| 福ちゃん | 買取業者を装う訪問者 | 記載なし |
| コメ兵 | 偽サイト/SNS広告・偽アカウント/従業員を装う訪問者 | 2022年2月26日・2022年12月15日・2025年4月28日(5月14日追記) |
| バイセル | 社名・ロゴ等を無断使用した偽サイト | 2022年12月8日(2026年5月12日更新) |
| ブランドオフ | 偽サイト | 2013年3月12日(2016年4月11日追記) |
| おたからや(楽天市場店) | 偽通販サイト | 記載なし |
| ウォッチニアン | 偽販売サイト | 記載なし |
| 銀蔵 | 偽販売サイト | 記載なし |
| 高山質店 | なりすましメール・SNS・偽サイト | 記載なし |
| ロデオドライブ(楽天市場店) | 偽造サイト | 記載なし |
| 質屋かんてい局(神戸大蔵谷インター店) | 店舗名・連絡先・社名を名乗るなりすまし | 2025年11月22日 |
| 日本流通自主管理協会(AACD・業界団体) | 会員を騙り、協会のマークや会員番号を表示するサイト | 2015年8月25日 |
これらは第三者の噂ではなく、その会社自身が自社サイトで公表している文章です。
利益相反の開示: この一覧のうち コメ兵とブランドオフの2社は、当サイトが広告提携している業者です。 提携の有無で掲載を選んではいません。提携先・非提携先を区別せずに調べ、公表を確認できたものを載せています。
⚠️ 誤解しないでほしいこと
注意喚起を出しているかどうかは、その業者の良し悪しとは関係ありません。 出していない業者が不誠実なのではなく、被害の報告がまだ届いていないだけかもしれない。逆に、注意喚起を出しているのは「それだけ名前を使われている」ということでもあります。この一覧は、良い業者のリストではありません。
5社が、口を揃えて同じことを言っています
13社の文章を読み比べていて、はっきりした共通点がありました。特に訪問買取について、複数の会社が独立に、ほぼ同じことを書いています。
エコリング「弊社がお申込み・ご予約をいただいていないお客様宅に突然のご訪問をすることは一切ございません」「弊社から訪問買取の営業電話をすることは一切ございません」(2024年11月5日)
大黒屋「弊社ではお客様から依頼のない訪問買取は一切行っておりませんのでご注意ください」(2017年1月11日)
なんぼや「弊社では、お電話による訪問買取の勧誘活動や、事前のお約束のないご訪問等は一切行っておりません」(2018年6月18日)
コメ兵「KOMEHYOの従業員を装った者(複数名の場合もあります)がご自宅を訪問し、『不用品を買い取る』と称してご自宅にある品物を物色し、『後日、銀行振込にする』と代金を支払わず持ち帰る詐欺事例が発生しています」(2025年5月14日追記分)
**共通しているのは「頼んでいないのに来る訪問と、かかってくる営業電話は、うちはやらない」**という宣言です。会社が違い、公表時期も7年以上ばらけているのに、書いてあることがほぼ同じでした。
頼んでいない訪問での勧誘は、そもそも法律が禁止しています
各社が揃って否定しているこの「頼んでいない訪問」について、福ちゃんのページに気になる一文がありました。
福ちゃん「お客様からのご依頼無く、突如自宅を訪問し勧誘する行為は違法です。(特定商取引法第58条の6第1項)」
業者の書いていることをそのまま信じるわけにはいかないので、条文を引きました。e-Gov法令検索の現行条文(令和8年8月12日施行)です。
(勧誘の要請をしていない者に対する勧誘の禁止等) 第五十八条の六 購入業者は、訪問購入に係る売買契約の締結についての勧誘の要請をしていない者に対し、営業所等以外の場所において、当該売買契約の締結について勧誘をし、又は勧誘を受ける意思の有無を確認してはならない。
引用は正確でした。 条番号も内容も現行法と一致しています。こちらが呼んでいないのに家に来て買取を持ちかける行為は、法律が名指しで禁止しています。 しかも「勧誘」だけでなく「勧誘を受ける意思の有無を確認」することまで禁じられている。つまり「買取のお話、聞いていただけますか」と切り出すこと自体が対象です。
ただし、ここも正確に書きます。罰則章(70条から76条)を通しで読みましたが、58条の6を引用している号はありませんでした。 直接の刑事罰はありません。
代わりにあるのはこうです。58条の12により主務大臣が指示を出せる。58条の13により2年以内の業務停止命令を出せる。そして——
第七十一条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、六月以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 二 …第五十八条の十二第一項の規定による指示に違反したとき。
指示に従わなかった段階で、刑事罰に届きます。 「違法です」という表現は、禁止規定に違反する行為だという意味では正確です。ただ「違法だから即座に警察が来る」という話ではない。そこは分けて理解しておいたほうがいいと思います。
なお、自分から来てもらうよう依頼した場合は、この禁止の対象外です(58条の17第2項1号)。当たり前ですが、出張買取を自分で申し込んだのに「不招請勧誘だ」とは言えません。
「行商従業者証」は、法律が携帯を義務づけているものです
もう1つ、なんぼや・コメ兵・福ちゃんの3社が揃って同じ確認手段を案内していました。
なんぼや「弊社は訪問の際に『行商従業者証』を携帯しておりますので、不審な場合は行商従業者証の提示をお求めください」
コメ兵「KOMEHYOの従業員は、裏面に株式会社コメ兵と記載された行商従事者証を携帯しています」
福ちゃん「ご訪問の際には、名刺や弊社のパンフレットをお渡し、行商従業員者証を提示しております」
これが何なのか、古物営業法11条を現行条文で読みました。
(許可証等の携帯等) 第十一条 古物商は、行商をし、又は競り売りをするときは、許可証を携帯していなければならない。 2 古物商は、その代理人、使用人その他の従業者(以下「代理人等」という。)に行商をさせるときは、当該代理人等に、国家公安委員会規則で定める様式の行商従業者証を携帯させなければならない。 3 古物商又はその代理人等は、行商をする場合において、取引の相手方から許可証又は前項の行商従業者証の提示を求められたときは、これを提示しなければならない。
読んでいて、私はここで少し驚きました。3項が「提示しなければならない」と書いている。 つまり、業者が「不審なら提示をお求めください」と案内しているのは、サービスではなく、もともと法律が相手方に与えている確認手段を伝えているだけなんです。
現場にいた15年、私自身も携帯していました。ただ正直に書くと、当時これを条文で読んだことは一度もありませんでした。 会社から持たされるものとして持っていただけです。今回この記事を書くために初めて11条を開いて、3項の存在を知りました。
本物の証には、何が書いてあるのか
様式は施行規則10条が「別記様式第12号」と定めています。その中身を、愛知県警察が公開している解説ページ(2020年4月1日公開)で確認しました。
- 大きさは縦5.5センチメートル、横8.5センチメートル。材質はプラスチック等の耐久性のあるもの
- 表面 — 行商をする従業員本人の氏名・生年月日、そして顔写真(縦2.5cm以上、横2cm以上)
- 裏面 — 古物商(会社)の氏名または名称(法人なら正式名称)、住所または居所、許可証番号(許可を受けた公安委員会名と番号)、主として取り扱う古物の区分
つまり、見せられたときに突き合わせられるものが2つあります。表面の顔写真と目の前の人が一致しているか。裏面の会社名が、名乗った会社名と一致しているか。 コメ兵が「裏面に株式会社コメ兵と記載された」とわざわざ書いているのは、この裏面のことです。
⚠️ 有効期限の欄があるかどうかは、このページには書かれていませんでした。確認できていません。
⚠️ 3社とも、呼び方が違っていました
細かいことですが、書いておきます。条文の正式名称は**「行商従業者証」**です(11条2項)。ところが実際の各社の表記は割れていました。
- なんぼや … 行商従業者証(条文どおり)
- コメ兵 … 行商従事者証
- 福ちゃん … 行商従業員者証
2社が誤記しています。 悪意のあるものではないでしょうが、読者が検索するときに引っかかる語が変わります。探すときは「行商従業者証」で引くのが正しい、ということだけ書いておきます。
提示を拒まれたら、何が起きるのか
ここは正確に書く必要があります。「法律上の義務です」とだけ書いて終わると、読者に実際より強い期待を持たせてしまうからです。
古物営業法の罰則(31条から39条)を通しで読んで、「第十一条」を引用している箇所を全部拾いました。該当したのは1箇所だけです。
第三十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の罰金に処する。 二 第八条第一項、第十一条第一項若しくは第二項又は第十二条の規定に違反した者
挙がっているのは1項と2項、つまり「携帯していなかった」場合だけです。3項の提示義務違反そのものに対する罰則は、31条から39条のどこにもありませんでした。
なので、正確に言うとこうなります。提示を拒まれても、その場で相手に罰金が科されるわけではありません。
ただし「だから拒んでもいい」ということにはなりません。別に24条があります。
(営業の停止等)第二十四条 古物商若しくは古物市場主若しくはこれらの代理人等がその古物営業に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令若しくは他の法令の規定に違反した場合において盗品等の売買等の防止若しくは盗品等の速やかな発見が著しく阻害されるおそれがあると認めるとき、(中略)その古物営業の許可を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて、その古物営業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
「この法律の規定に違反した場合」という包括的な書き方なので、11条3項違反もここに含まれ得ます。ただし「盗品等の売買等の防止……が著しく阻害されるおそれ」という要件が付いているので、一度提示を断られただけで自動的に営業停止になる、とまでは条文からは読めません。
私の受け止めはこうです。提示を求めるのは正当で、拒む方が法令違反の側にいる。ただしその場で何かが起きる仕組みにはなっていない。 だから提示を拒まれたときに意味があるのは「罰を与えられること」ではなく、その相手との取引をやめる判断材料が手に入ったことの方です。玄関先での目的はそれで足ります。
サイトで確かめるときは、3点セットを見ます
訪問ではなくサイトを見ているときの話に移ります。古物営業法12条2項です。
2 古物商又は古物市場主は、その事業の規模が著しく小さい場合その他の国家公安委員会規則で定める場合(その者が特定古物商である場合を除く。)を除き、国家公安委員会規則で定めるところにより、その氏名又は名称、許可をした公安委員会の名称及び許可証の番号(次項において「氏名等」という。)を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供しなければならない。
分解すると、載せる義務があるのは次の3点です。
- 氏名または名称
- 許可をした公安委員会の名称(「東京都公安委員会」など)
- 許可証の番号
「電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供する」という言い回しが硬いですが、方法は施行規則13条の2の2項が具体的に決めています。
2 法第十二条第二項の規定による公衆の閲覧は、当該古物商又は古物市場主のウェブサイトへの掲載により行うものとする。
自社サイトに載せろ、ということです。
⚠️ ただし、載っていなくても違法とは限りません
ここが大事なところです。同じ施行規則13条の2が、除外される場合を定めています。
第十三条の二 法第十二条第二項の国家公安委員会規則で定める場合は、次の各号のいずれかに該当する場合とする。 一 常時使用する従業者の数が五人以下である場合 二 当該古物商又は古物市場主が管理するウェブサイトを有していない場合
従業者5人以下の古物商は、この表示義務の対象外です。 街の質屋さんや、家族でやっている買取店に3点セットが載っていなくても、それは法令違反ではありません。
私は以前、主要買取業者の古物商許可番号を公安委員会の公表一覧と突き合わせた記事と、その番号を自分で確かめる手順の記事を書きました。そこでも同じ構造の注意を書いています。「無い」ことから読み取れることは、思っているより少ない。 大きい会社に3点セットが無ければ引っかかる材料になりますが、小さい店に無いのは普通のことです。
「偽サイトの見分け方」を、私はこの記事に書きません
ここが、この記事を書いていていちばん考えが変わったところです。
最初、私はこの記事に「偽サイトを見分けるチェックリスト」を入れるつもりでした。ドメインのつづりを確認する、鍵マークを見る、日本語が不自然でないか見る——よく見かけるやつです。
その裏を取ろうとしてフィッシング対策協議会の公式サイトを開いたら、こう書いてありました。
「『見破る方法はありますか?』『見分け方のコツはありますか?』とご質問いただきますが、最近のフィッシング詐欺は非常に精巧に作られており、以下のような点で本物のメールやサイトと見分けがつかないことが多く、判別は非常に困難です。」
そして鍵マークについては、はっきりこう書いています。
「URLに鍵マークがあり安全そうに見える フィッシングサイトでも簡単に証明書を取得できるため、鍵マークが表示されてしまうことがあります。」
鍵マークは、そのサイトが本物であることを証明しません。 通信が暗号化されていることしか意味していない。偽サイト側も同じように取得できます。
協議会が案内している対策は、見分けることではありませんでした。
「日頃から利用しているサービスへログインする際は、『いつも』の公式アプリ、『いつも』の公式サイト(ブックマーク)から開くよう、習慣づけましょう。」
入口を固定しろ、ということです。 検索結果やメールやSNS広告から入るのをやめて、自分のブックマークから入る。見分けようとするのではなく、見分ける必要がない経路を使う。
これを読んで、私はチェックリストを丸ごと捨てました。「ドメインのつづりを見ましょう」と書くのは簡単ですが、それを見て安心した人が、精巧な偽サイトで被害に遭うかもしれない。 対策の主体が公式に「困難だ」と言っているものを、私が「こうすれば見分けられます」と書くわけにはいきません。
一方で、業者側の注意喚起には具体的な特徴が挙がっているものもありました。たとえばウォッチニアンは、自社を装う偽販売サイトの特徴としてこう書いています。
「商品が非常に安価に販売されている。(80パーセントオフ等)」「事業者の住所が日本国内にあるのに商品が海外郵便、海外宅配便として送付される。」「連絡先のメールアドレスが無料で利用可能なフリーメールである。」「振込先銀行口座名が外国人名である。」「日本語の表現が不自然である。」
これはこれで有用です。ただしこれは「当てはまれば怪しい」であって、「当てはまらなければ本物」ではない。順序が逆にならないように読んでください。
訪問購入の相談は、年間7,000件台で続いています
規模感の話をしておきます。国民生活センターがPIO-NETに登録された訪問購入の相談件数を公表しています(2026年7月31日更新)。
| 年度 | 相談件数 |
|---|---|
| 2023年度 | 8,623件 |
| 2024年度 | 7,909件 |
| 2025年度 | 7,523件 |
| 2026年度 | 826件(2026年5月31日現在) |
※消費生活センター等からの経由相談は含まれていません。
減ってはいますが、年間7,000件台が続いています。 なお、この件数は「なりすまし」に限った数字ではなく、訪問購入に関する相談の全体です。なりすましだけを抜き出した公的な統計は、今回探した範囲では見つけられませんでした。
同センターは、押し買いの手口についてこうも指摘しています。
「購入業者は、勧誘の前に、氏名(名称)、買い取りの勧誘をする目的があること、その対象となる物品の種類を消費者に伝えなければいけませんが(特商法第58条の5)、購入業者名や買い取りの対象物品の種類を告げていないケースが見られます」
この特定商取引法58条の5を、条文で読むとこうです。
第五十八条の五 購入業者は、訪問購入をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、購入業者の氏名又は名称、売買契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る物品の種類を明らかにしなければならない。
そして消費者庁の解説に、こう書いてあります。
「氏名又は名称」個人事業者の場合は、戸籍上の氏名又は商業登記簿に記載された商号、法人の場合は、登記簿上の名称であることを要する。例えば、会社の営業員が訪問した場合に当該営業員の氏名のみを告げることや、正規の名称が「(株)〇〇商事」であるにもかかわらず、「××買取センター」や「××リサイクルショップ」等の架空の名称や通称のみを告げることは、本条にいう「氏名又は名称」を告げたことにはならない。
「◯◯買取センターです」だけでは、法律上、名乗ったことになりません。 登記上の会社名を言う義務がある。ここは知っておくと、玄関先で効きます。
この記事で、確認できなかったこと
このサイトのやり方として、確かめられなかったことも書いておきます。
- ブランディアとギャラリーレアの注意喚起ページは、今回のアクセスでは開けませんでした。 ブランディアは該当ページがトップページへ転送され(移転か削除と思われます)、ギャラリーレアはサーバー側から403で拒否されました。両社が注意喚起を出していない、という意味ではありません。⚠️ なおこの2社はどちらも当サイトの広告提携先です。提携先だから外したのではなく、機械的にアクセスできなかっただけです
- リクロ・買取プレミアム・ウリエル・BRAND REVALUE については、公式サイトを見た範囲でなりすましの注意喚起ページを見つけられませんでした。無いと確認したわけではなく、見つけられなかったということです(なおリクロは2024年7月にK-ブランドオフに吸収合併され解散しています)
- 行商従業者証に有効期限の欄があるかは確認できていません
- なりすましだけを抜き出した公的な統計は見つけられませんでした。国民生活センターの件数は訪問購入の相談全体の数字です
- 各社が公表している被害の個別事例そのものの真偽は、私には検証できません。ここに載せたのは「各社がそう公表している」という事実までです
- 業者を装う手口について、警察庁が正面から出している注意喚起のページは、探した範囲では見つけられませんでした
- **特定商取引法58条の17第2項2号にある「政令で定める取引の態様」**の具体的な中身は確認できていません
私が実際に踏む順番
最後に、自分ならどうするかを書いておきます。
- 頼んでいない訪問と、かかってきた営業電話は、その時点で切り分ける。 13社の公表を読む限り、正規の会社はここを揃って否定しています。そもそも特商法58条の6第1項が禁止している行為です
- 玄関を開けたら、会社名を聞く。 「◯◯買取センター」ではなく、登記上の名称を聞く(特商法58条の5)
- 許可証か行商従業者証の提示を求める。 これは法律が認めている確認です(古物営業法11条3項)。遠慮する必要はありません。裏面の会社名と、表面の顔写真を見ます
- サイトを見るときは、検索結果やSNS広告からではなく、自分で入力するかブックマークから入る。 見分けようとしない
- 番号が出てきたら、公安委員会の公表一覧と突き合わせる。 ただし一覧に載っていないことは無許可の証拠にならないので、そこは前に書いた記事のとおりです
そして、誰と取引するかを確かめたあとは、どういう条件で取引するのかを見ることになります。キャンセル料や返送料の条件を20社の公式ページから抜き出した記事が別にあります。⚠️ その記事には広告リンクを置いていますので、その前提でどうぞ。
この記事で参照したページ
- 古物営業法(e-Gov法令検索・令和7年6月1日施行の現行条文) https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000108
- 古物営業法施行規則(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/407M50400000010
- 特定商取引に関する法律(e-Gov法令検索・令和8年8月12日施行の現行条文) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057
- 愛知県警察「行商従業者証」 https://www.pref.aichi.jp/police/shinsei/sonota/kobutsu/jyugyousya.html
- 国民生活センター「訪問購入」相談件数の推移(2026年7月31日更新) https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/doorstep_purchase.html
- 国民生活センター報道発表資料(2023年9月27日) https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20230927_1.pdf
- フィッシング対策協議会「フィッシングとは」 https://www.antiphishing.jp/consumer/abt_phishing.html
- バリュエンスジャパン(なんぼや)のお知らせ https://www.valuence.inc/news/2018/06/18/
- 大黒屋 https://www.e-daikoku.com/pdf/press-release/20170111.pdf
- エコリング https://www.eco-ring.com/corporate/news/group/6951
- 福ちゃん https://www.fuku-chan.info/information/relief.php
- コメ兵 https://www.komehyo.co.jp/news/
- バイセル https://buysell-technologies.com/announcement/202212082976/
- ブランドオフ https://www.brandoff.co.jp/news/topic/info/1722.html
- おたからや楽天市場店 https://www.rakuten.ne.jp/gold/otakarayaotakaraya/similar.html
- ウォッチニアン https://watchnian.com/shop/pages/caution.aspx
- 銀蔵 https://ginzo.jp/pages/偽サイトにご注意ください
- 高山質店 https://takayama78.jp/campaign/fishingmail/
- ロデオドライブ楽天市場店 https://www.rakuten.ne.jp/gold/rodeo-drive/smp/smp_attcopy.html
- 質屋かんてい局 神戸大蔵谷インター店 https://kanteikyoku.jp/store/kobeookuradani/news/531810/
- 日本流通自主管理協会(AACD) https://www.aacd.gr.jp/consumer/akushitsu/aacd
更新履歴
- 公開。公開前の独立校閲で3件を是正した(①フィッシング対策協議会の引用から「以下のような点で本物のメールやサイトと見分けがつかないことが多く」を省略記号なしに落としていたのを原文どおりに戻した ②コメ兵の引用文は「4月28日」ではなく「5月14日追記」の見出しの下にあったので日付を訂正した ③古物営業法24条の中略の直前に原文に無い「は」を足していたので削った)。買取業者20社と業界団体の公式サイトを開いてなりすましへの注意喚起を実測し、公表を確認できた13社+1団体を掲載した。古物営業法11条3項の提示義務と12条2項の表示義務、特定商取引法58条の6第1項の不招請勧誘の禁止をe-Gov法令検索の現行条文で確認し、罰則の有無は罰則章を全文通読して該当号を機械的に抽出して確定している。当初は「偽サイトの見分け方」を書く構成にしていたが、フィッシング対策協議会が公式に「判別は非常に困難」と述べ、ドメイン確認ではなく公式サイトからの入口固定を推奨していることを一次ソースで確認したため、見分け方のチェックリストは全て削除した。掲載13社のうちコメ兵とブランドオフは当サイトの広告提携先であるため、その旨を一覧の直下に開示している。このページには広告リンクを置いていない
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掲載している査定額は、記載した日時・個体・業者での実際の提示額です。 同じ条件でも金額は変動します。 当サイトは査定・買取を行っていません(免責事項)。